2018年10月16日
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地域包括ケア73,832 床
都道府県別65 歳以上人口10 万人あたりの病床数 最大5.1 倍の差
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株式会社日本アルトマーク(以下、日本アルトマーク、東京都港区・代表取締役社長 伊倉雅治)は、2018 年度診療報酬改定で再編・統合された地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料について、2018 年6 月時点の届出状況を調査いたしました。
地域包括ケア病棟は、「急性期からの受入(ポストアキュート)」、「緊急時の受入(サブアキュート)」、「在宅・生活復帰支援」の3 つの機能を期待され、2014 年度診療報酬改定で新設されました。届出の病院数・病床数ともに増加傾向が続いていますが、この2 つの機能は、患者の状態や必要とする医療が異なることから、「急性期病棟などから患者を受け入れる機能」と「自宅等から患者を受け入れて在宅療養を支援する機能」を分けて
評価すべきとの意見があり、議論されてきました。
2018 年度診療報酬改定では、地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料(以下、地域包括ケア)は2 段階から4 段階の評価体系へと再編され、地域包括ケア1 および3 に「自宅等からの受入」や「在宅医療の提供」などの実績要件が設けられました。
◇全国で2,191 病院73,832 床
2018 年6 月時点で地域包括ケア病床を届出ていた病院は、全国で2,191 病院※173,832 床であった。1,913病院※161,796 床であった1 年前の2017 年6 月時点と比較すると、278 病院12,036 床増加した。増加率は、病院数14.3%、病床数19.5%であった。(図1、図2)
評価区分別に見ると、2018 年度診療報酬改定前の地域包括ケア1 相当の地域包括ケア2 が病院数・病床数ともに最も多かった。(図1、図2)
■地域包括ケア1 ■地域包括ケア2 ■地域包括ケア3 ■地域包括ケア4
※1 複数の評価区分を届出ている病院があるため、図1 の合計とは異なります
◇一般病床としての届出 全体の90%
地域包括ケア病床は一般・療養どちらでも届出が可能であり、2018 年6 月時点では、一般が1,986 病院66,425 床(全体の90.0%)、療養が226 病院7,407 床(全体の10.0%)であった。評価区分ごとの割合は、ばらつきが見られ、地域包括ケア2 は91.1%が一般であるのに対し、地域包括ケア3 は59.3%であり、31.8 ポイントの差があった。また、一般・療養の両方を届出ている病院は、11 病院であった。(図3)
表1 評価区分ごとの一般・療養別届出数
◇急性期一般入院料1 との併設が最多で644 病院
2018 年6 月時点で地域包括ケア病床を届出ていた2,191病院の6.0%にあたる132 病院が、一般病棟の全床を地域包括ケア病床として運用していることがわかった。
2018 年度診療報酬改定で新設された急性期一般入院基本料と地域一般入院基本料との併設状況を調べると、改定前の一般病棟10 対1 入院基本料に相当する急性期一般入院料4~7 の合計が最も多く1,067 病院であった。個別の入院料では一般病棟7 対1 入院基本料に相当する急性期一般入院料1が最も多く644 病院であった。(表2)
表2 急性期一般入院基本料および地域一般入院基本料との併設状況
◇地域包括ケア 都道府県別65 歳以上人口10 万人あたりの病床数 最大で5.1 倍の差
2018 年6 月時点で地域包括ケア病床を届出ていた病院を都道府県別に見ると、福岡が最も多く150 病院5,600 床、次いで、兵庫125 病院4,263 床、東京124 病院4,173 床であった。最も少なかった都道府県は、病床数が少ない順に、沖縄16 病院419 床、佐賀25 病院490 床、山梨18 病院588 床であった。なお、病院数が最も少なかった都道府県は、香川13 病院、次いで、沖縄16 病院、山梨18 病院であった。(図4)
都道府県ごとの65 歳以上人口10 万人あたりの地域包括ケア病床を調べると、全国平均は212.2 床であり、中央値は240.7 床であった。全国平均を超えていた都道府県は28 道府県であり、大分443.5 床が最も多く、熊本436.5 床、福岡411.9 床と続いた。最も少なかった都道府県は埼玉86.0 床であり、次いで、千葉92.3 床、三重119.3 床であった。最も多い大分と最も少ない埼玉の差は357.5 床であり、約5.1 倍の開きがあった。(図4)
人口:総務省「【総計】平成30 年住民基本台帳年齢階級別人口(都道府県別)」
[図1、図2、図3、図4、表1、表2] 出典:㈱日本アルトマーク「病院の入院料届出状況全国調査」
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