2018年6月26日
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機能別病床数の現状
都道府県別・二次医療圏別の比較
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株式会社日本アルトマーク(以下、日本アルトマーク、東京都港区・代表取締役社長 伊倉雅治)は、高度急性期医療を担う病院の入院料に関する調査を実施いたしました。
2018 年度診療報酬改定で入院料の評価体系が見直されました。見直しの対象となった主な入院料は、一般病棟入院基本料、地域包括ケア病棟入院料及び地域包括ケア入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料、療養病棟入院基本料であり、「急性期医療」「急性期医療~長期療養」「長期療養」の3 つの機能に再編・統合されました(参考1)。
今回は、2017 年11 月に実施した調査結果をこの3 つの機能に分けて集計・分析しました。
◇機能別病床割合
2018 年度診療報酬改定で再編・統合された機能のうち、「急性期医療」に該当する入院料を2017 年11 月時点で一般病院が算定していた病床は、全国で512,366 床、「急性期医療~長期療養」に該当する入院料を算定していた病床は206,487 床、「長期療養」に該当する入院料を算定していた病床は213,290 床であった。
算定病床数を都道府県ごとに見ると、全国的に「急性期医療」病床の割合が高く、最も高かった県は神奈川64.5%であり、次いで、新潟64.1%、福島62.9%と続いた。全国平均は54.2%であり、最も高かった神奈川64.5%と最も低かった徳島36.9%の差は27.6 ポイントであった。(図1)
◇2 県における機能別病床数の現状比較
高齢化にともない、病床機能も変化が必要とされ、地域医療構想の策定をはじめ、さまざまな取組がなされている。2015 年の国勢調査において高齢化率の全国平均は28.3%※1 であり、秋田33.8%が最も高く、東京22.7%が最も低かった。
2015 年度および2040 年度の高齢化率が近い群馬と広島を比較したところ、「急性期医療」および「急性期医療~長期療養」の病床割合は群馬が高く、「長期療養」は広島が高かった。(表1)
表1 群馬と広島の機能別病床割合と高齢化率
※1 2015 年は総務省「国勢調査」、2040 年は国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(平成25 年3 月推計)」
「急性期医療」「急性期医療~長期療養」「長期療養」に該当する病床数を人口10 万人あたり※2 で計算すると、全国平均は、「急性期医療」は403 床、「急性期医療~長期療養」は162 床、「長期療養」は168 床であった。群馬と広島を比較すると、群馬は病床数が多い順に、7 対1(347 床)、療養1(115 床)、10 対1(87 床)であったのに対し、広島は7 対1(288 床)、10 対1(169 床)、療養1(164 床)であった。(図2、図3)
2023 年度末に制度の廃止が決定している療養2 の人口10 万人あたり※2の全国平均病床数は40 床であり、群馬(36 床)は下回り、広島(58 床)は上回っていた。
※割合・・・病床規模別の病院数に対する算定病院の割合
◇二次医療圏別の状況
2017 年11 月時点の病床数を二次医療圏別に見ると、群馬は、前橋圏(3,190 床)、高崎・安中圏(3,207 床)とほぼ同等であり、次いで太田・館林圏(2,299 床)であった。広島は、広島圏に全15,733 床の41%である10,312床が集中していた。(図4、図6)
人口10 万人あたり※2 でみると、病床数は大きく偏っていた。群馬は前橋圏および藤岡圏においては「急性期医療」病床が多く、吾妻圏においては「長期療養」病床が多かった。広島は、尾三圏の「急性期医療」病床が目立って多かった。(図5、図7)
群馬と広島は2015 年および2040 年の高齢化率の数値が近いが、入院医療の供給体制は異なっていた。県内の状況を二次医療圏別に見ても、圏域ごとに特徴があり、一様ではなかった。高齢化が進み医療機関も対応を迫られるが、医療資源はもとより、人口や地勢などの事情により、その変化も地域ごとに異なると考えられる。定期的な病院調査を継続し、この先も動向を追いたい。
※2 2015 年総務省「国勢調査」
参考1
[ 図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、表1、参考1 ]
出典:㈱日本アルトマーク「病院の施設基準算定状況全国調査」
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